こんにちは
4月といえば本来なら新年度、新学期が始まり、新しい生活に期待と不安に胸を膨らませている時期です。
しかし、新型コロナウイルス感染予防のため、不要不急の外出を控えよとの要請により、身動きが取れず不安ばかりが募る毎日です。
こんな時期だからこそ、じっくり考えてみませんか。
「幸せに生きるとは?」「人生の意味とは?」
国内累計で208万部、世界累計で485万部を超えるベストセラー
『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』をおすすめします。
この本は「心理学の三大巨頭」と称されていたものの、フロイト、ユングと比べて、日本人にはあまりなじみがなかったアルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)が、「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめられています。
初めてこの本を読んだ5年前から何度も読み返しています。読むたびに新しい気づきがありますが、現時点で私が思う、本書のメッセージは何なのかを一言にまとめ、解説してみました。
「いま、ここ」にスポットライトを当てて、自分自身の人生を生きれば人は幸せになれる
- 「いま、ここ」にスポットライトを当てるとは?
- 自分自身の人生を生きるために必要なこととは?
- アドラー心理学における幸せとは?
順番に解説していきたいと思います。
嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え [ 岸見一郎 ] 価格:1,650円 |
「いま、ここ」にスポットライトを当てるとは?
みなさんは「トラウマ」という言葉を聞いたことがあると思います。
フロイト心理学における「心に負った傷(トラウマ)が、現在の不幸を引き起こしている」という考え方です。
「私は幸せな結婚はできない」
なぜなら、両親が離婚したから。
「わたしは人がこわい。外の世界へ出ることができない」
なぜなら、親に虐待されたから。ひどいいじめをうけたから。
今では日常会話でも使われる「トラウマ」という言葉ですが、アドラー心理学では、「トラウマ」を明確に否定します。
アドラーは「いかなる経験も、それ自体では成功の原因でも失敗の原因でもない。われわれは自分の経験によるショックーいわゆるトラウマーに苦しむのではなく、経験の中から目的にかなうものを見つけ出す。自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定するのである」と語っているそうです。
「原因論」を否定する。つまり、過去など関係ないという立場です。
「両親の離婚」「虐待」「いじめ」などの出来事(過去)は客観的な事実です。そこにどんな意味づけをするのかは、「いま」の「主観」の話であるというのです。
また、つぎのような未来ばかりを見て人生を先延ばしにする態度も厳しく否定しています。
「小説家になりたい」
でも、今は仕事が忙しくて原稿を書く時間がない。時間が出来たら書き始めよう。
「女優になりたい」「○○さんのようになりたい」
でも、私の性格や気質では無理だ。もう少し美しかったらなれるのに。変わることが出来たら挑戦しよう。
「大学に進みたい」
でも、勉強の仕方がわからない。まだ先の話だから、もう少ししてから始めよう。
人生は連続する刹那であり、過去も未来も存在しない。
これが、アドラー心理学における「人生」です。
過去にどんなことがあったかなど、「いま、ここ」には何の関係もないし、未来がどうであるかなど「いま、ここ」で考える問題ではない。
「いま、ここ」を生きないことこそが、人生における最大の嘘だ。と書かれています。
だから、「いま、ここ」を真剣に生きることが大切だということです。
自分自身の人生を生きるために必要なこととは?
「自分自身の人生を生きる」当たり前のことのように思いますが、それが出来ていない人が多いようです。
例えば、両親に猛反対されたので、泣く泣く恋人と別れた人。子供に勉強させようと口うるさく言う親。先生がうるさいからいやいや宿題をしている学生。
これらの人は「課題の分離」が出来ていない点において、「自分の人生を生きていない」というのです。
結婚相手を決めることは本人の課題であって、親の課題ではない。勉強や宿題をするかしないかは子供の課題であって、親や先生の課題ではない。
まずは「これは誰の課題なのか?」を考え、どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか、線引きする。そして他者の課題は切り捨てることが、人生をシンプルにするといいます。
そして、この「課題の分離」をするときに邪魔をするのが「承認欲求」です。
親が悲しむから本当に結婚したかった相手との結婚を諦める。、親や先生がほめてくれるから、勉強や宿題をする。「自分の信じる最善の道」を選んだ結果、他人がどう見るか、どう評価されるか、承認してもらえるかが気になってしまうのです。
アドラー心理学ではこの「承認欲求」を捨てろと言います。
他者の視線を気にして、他者の顔色を気にしながら生きること、他者の望みをかなえるように生きることは、非常に不自由な生き方です。
なぜ、こんな不自由な生き方を選んでいるのかというと、誰からも嫌われたくないからだろうというのです。
他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを支払わない限り、自分の生き方を貫くことはできない。
これが、アドラー心理学の考え方です。
アドラー心理学における幸せとは?
アドラー心理学における幸福の定義とは
幸福とは貢献感である
貢献感とは「わたしは誰かの役に立てている」と思えること。人はそう思えたときにだけ、自らの価値を実感することができます。
しかし、承認欲求を通じて得られた貢献感には、自由がないというのです。
自由な状態のまま貢献感を感じる生き方、
「嫌われる勇気」を持って生きることが幸せに生きることなのです。
まとめ
過去の出来事を理由にしたり、未来の不安を感じたりして、動けないでいるのは、「いま、ここ」を真剣に生きていないからだとこの本は教えてくれました。
自分と他人の課題を分離し、自分の信じる最善の道を選び続け、自分の人生を生きていきたいと思います。
といっても、実践は難しいですね。
アドラー心理学を本当に理解して、生き方まで変わるようになるには「それまで生きてきた年数の半分」が必要になるといわれているそうです。
わたしはおばあさんになってしまいますが、この本に出逢えてよかったと思っています。
あなたの生き方が変わるかもしれない『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』をおすすめします。
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